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author : スポンサードリンク| 2017.02.03 Friday | - | -
柿沼康二 書の世界−文字の超越
「心」 (縦69cm×横70cm)
書家にとって臨書は呼吸で言う「吸う」作業、創作は「吐く」作業。たくさん吐き出すには思いっきり酸素を吸い込む外ない。一見相反するようなこの二つの作業が渾然と融合し連動し呼吸となって始めて、最高のパフォーマンスを掴むことができる。
「臨書」は、ややもすると没個性的と履き違えられがちであるが、人の顔が皆違うように古筆の書き手と同じものは何一つなく、造形上も精神的にも完全にシンクロすることは永遠にない。その違いを時をかけて見出し、否定してもしきれないものが己の個性の芽生えとなる。即ち模倣と創造は表裏一体。臨書とは創作であり、模倣とは創造の「ふるさと」。今作品はそんな「ふるさと」を感じさせる作品、言いかえれば創作であり臨書作品でもある。