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2011年12月11日全国版、朝日新聞・書評コラム「視線」
 2011年12月11日全国版、朝日新聞・書評コラム「視線」、美術家の森村 泰昌氏による「TRANCE-MISSION」のご紹介。

http://book.asahi.com/reviews/column/1207.html

掲載内容は、上記ブック・アサヒ・コムにて紹介されておりますので是非ご覧下さい。

上記サイト内から引用

岡本太郎vs柿沼康二 TRANCE−MISSION 

[著] 岡本太郎/柿沼康二著

[文] 森村泰昌(美術家) 
 
[掲載] 2011年12月11日

著者: 岡本太郎、柿沼康二  出版社:二玄社 価格:¥ 1,890

 
 昨今、「書」が盛んである。パソコンが中心の時代にあって、めっきり文字を書く機会が減った。すると逆に、手書き以外の何物でもない「書」の世界が新鮮に見えてくる。年配者のみならず若い世代にも、じわじわと「書」の世界が広がっている。
 そんな新しい感覚の書家のひとり、柿沼康二が岡本太郎(1911〜96)の文章から「書」を導き出す。柿沼とタローの競演が本書となった。
 タローの言葉はいつも歯切れがいい。有名な「今日の芸術は、うまくあってはならない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない」との発言は、その典型であろう。うまくなく、きれいでも、ここちよくもないが、しかし芸術として一級品であるとはどういうことかと、タローは謎をかけてくる。柿沼はこれに「書」で答えなければならない。
 読まれるべき内容と、書かれるべき「書」の形式が一致しなければ、たとえそれが「絵」としてはよくても、「いい書」とはならない。「書」ならではの、この柿沼の格闘が、まるで七色の声を持つ歌手のように、多彩な「書」のスタイルで展開する。
 こうして柿沼康二という書家の多彩な魅力が本書にはよく表れているのだが、それは時に抽象絵画のようであり、時に現代書道のお手本のようでもある。しかしその一方で暴走族が壁に残す暴力的な落書きに見えることもある。
 ハイアート(高級な芸術)とローアート(大衆芸術)の差異を無化する、この過激な「書」を、岡本太郎はさぞかし絶賛したことだろう。競演は見事に成功したのである。
author : 柿沼康二| 2011.12.20 Tuesday 11:00 | - | trackbacks(0)
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柿沼康二
書家、アーティスト
Koji Kakinuma (c)Douglas Benedict
(c)Douglas Benedict
書家/アーティスト・柿沼康二の芸術観、書道について、アーティスト論、過去の日記などを集めたエッセー集。

柿沼康二(カキヌマコウジ)。書家・書道家・現代美術家。 1970年栃木県矢板市生まれ。5歳より筆を持ち、柿沼翠流(父)、手島右卿(昭和の三筆)、上松一條に師事。東京学芸大学教育学部芸術科(書道)卒業。2006-2007年、米国プリンストン大学客員書家を務める。 「書はアートたるか、己はアーティストたるか」の命題に挑戦し続け、伝統的な書の技術と前衛的な精神による独自のスタイルは、「書を現代アートまで昇華させた」と国内外で高い評価を得る。2013年、現代美術館において存命書家史上初の快挙となる個展を金沢21世紀美術館にて開催。2012年春の東久邇宮文化褒賞、第1回矢板市市民栄誉賞、第4回手島右卿賞。独立書展特選、独立書人団50周年記念賞(大作賞)、毎日書道展毎日賞(2回)等受賞歴多数。NHK大河ドラマ「風林火山」(2007)、北野武監督映画「アキレスと亀」、角川映画「最後の忠臣蔵」等の題字の他、「九州大学」「九州大学病院」名盤用作品等を揮毫。 NHK「トップランナー」「趣味Do楽 柿沼康二 オレ流 書の冒険」「ようこそ先輩課外授業」「スタジオパークからこんにちは(2回)、MBS「情熱大陸」、日テレ「心ゆさぶれ! 先輩ROCK YOU」、BOSE社TV-CM等に出演。 伝統書から特大筆によるダイナミックな超大作、トランスワークと称される新表現まで、そのパフォーマンス性は幅広く、これまでNYメトロポリタン美術館、ワシントンDCケネディセンター、フィラデルフィア美術館、ロンドン・カウンティーホール、KODO(鼓童)アースセレブレーションなど世界各地で披露され好評を博す。現在、柿沼事務所代表取締役社長兼所属書家。


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